農薬の中身が気になります。製品の表示ラベルには成分が記載されていますが、どんな成分になっているのでしょうか?
また、農薬って同じ名前でも乳剤とか水和剤とか色々種類があるようですが、どのような違いがあるのですか?
農薬の中身は、虫や病気に効く成分とその成分を安定させる増量剤のようなものでできています。 農薬の成分は非常に少ない量で効果を発揮します。その成分を植物の葉などに均一に散布できて、防除効果を十分に発揮させるため、有効成分(原体)に増量剤や補助剤を加えたりしてさまざまな形状の製品に仕上げられています。
また、扱いやすくしたり品質を維持したりするだけではなく、人や環境への影響を少なくしたり、省力化や省資源化にも役立つ製剤が開発されています。
■ 商品が液状のもの
『液剤』
水溶性の有効成分を液体の製剤としたもの。(水に農薬の成分を溶かしたもの。)
原液あるいは水でうすめて用いる。水に薄めると透明の液体になります。
『乳剤』
水に溶けにくい有効成分を乳化剤で溶かしたもの。
水に薄めると水中に均一に分散した白濁液、不透明な液となります。
『フロアブル(FL)』
水に溶けない成分を微粉砕して水等の液体に浮遊させたもの。
水に薄めると白色の液体になります。
■ 商品が粉状のもの
『水溶剤』
水に溶ける成分を水溶性の粉と均一に混ぜたもの。
水に薄めるときれいに溶けて透明の液体になります。
『顆粒水溶剤』
水溶剤に集合剤などを加えて顆粒状にしたもの。
開封時や希釈時の粉立ちが少なく目方も量りやすい。有効成分は完全に水に溶けるため、調製液は沈殿しません。
『水和剤』
水に溶けない成分を粉と均一に混ぜたもの。
水に溶いて撹拌すると均一に分散し、白色の液体になります。
『顆粒水和剤(WDG)』
水和剤の一種で水和剤に結合剤などを加えて顆粒状にしたもの。
水和剤の開封時や希釈時の粉立ちが少なく目方も量りやすいです。
『ドライフロアブル(DF)』
登録上水和剤に該当します。成分に界面活性剤、集合剤などを組み合わせて顆粒状にしたもの。フロアブル剤は静置すると分離したり、寒地では凍結する場合もあるが、ドライフロアブルは固体なので分離したり凍結したりすることはないです。
■ そのまま使用するもの
粉剤・粒剤・一部のフロアブルなどがあります。これらは用途に応じて粉・粒・液状などを選ぶようになっています。