同じ名前の農薬でもいろいろな剤型があるみたいですね。
例えば「アディオン」でもフロアブル・乳剤・水和剤などがあります。
この3つをよく比較すると使える作物がそれぞれ違うみたいです。モモにはアディオン乳剤が使用できるのにブドウにはフロアブルや水和剤しか使えません。同じアディオンなのになぜですか?
農薬の登録を取得するためには、有効成分が同じものでも乳剤、フロアブル、水和剤などそれぞれ製剤ごとに薬剤の効果・薬剤の試験、作物残留試験などの各種試験を行う必要があります。
このため、それぞれの製剤の特長も考慮し、それぞれの製剤で登録が必要な作物を順位付けした上で登録を取っていくことになります。
アディオンの場合、計量や薬液調整の簡便さなど点から乳剤を主として各種登録を取得しています。
アディオン乳剤は60種以上の作物で登録を有しており、ポジティブリスト制度が導入された中で非常に使用しやすい薬剤と言えます。
一方、果樹類では薬害の関係から乳剤よりも水和剤が好まれる傾向があります。アディオン水和剤も果樹用に開発された製剤です。
水和剤の改良タイプのフロアブルは果樹と汚れが問題となる花き類で登録を取得しています。
このようにそれぞれの目的で試験を実施して登録を取得しているので同じアディオン剤でも登録が異なってしまいます。