最近は農薬の使い方も色々と厳しくなってきていますね。最近よく耳にする「無登録農薬」や「無登録作物」「登録外使用」などにあるような「農薬の登録」というのはどういう制度なのでしょうか。
農薬は医薬品と同様、国によって審査され認可されるものです。国に認可されたものが登録農薬です。
登録農薬には、農林水産大臣より農薬登録票が交付されます。
登録を受けた農薬は、通し番号として「登録番号」(例:農林水産省登録第99999号)が付与され、製造時、加工時、又は輸入した農薬の販売時には、登録番号の表示が義務付けられています。特定農薬を除き、農薬であるものは必ずこの登録番号があることで識別できます。
農薬登録票には
・登録番号
・登録年月日
・登録の有効期間(3年ごとに更新が必要)
・農薬の種類、名称
・物理的化学的性状
・有効成分、その他の成分の種類と含有量
・適用病害虫の範囲及び使用方法
・製造業者の氏名、住所
・製造場の名称及び所在地
が記載されています。
また、「適用病害虫の範囲及び使用方法」として、
・作物名
・適用病害虫名
・使用量又は希釈倍数
・使用時期
・使用回数
・使用方法
・その成分を含む農薬の総使用回数
なども記載されています。
すなわち、この農薬登録票が交付されていないものが「無登録農薬」、登録票に記載されている作物以外を「無登録作物」登録票に記載された使用方法以外の使い方をすると「登録外使用」となります。
農薬が登録されるには、作物ごとに効果試験・薬害試験はもちろん、人体他への安全性のために、急性毒性試験・慢性毒性試験・次世代に及ぼす影響試験・催奇性試験・残留試験・魚毒性試験など数多くの試験をしています。そしてその農薬を一生涯に食べ続けても安全な量が算出され、さらにその1/100以下の量しか摂取されないように作物の範囲・使用時期・回数が決められています。
農薬登録の有効期間は3年です。従って、審査をパスし登録されても、再登録の申請がなければ自動的に失効します。また、再登録にあたってもその間に新しい科学的知見が明らかになった場合、それについての試験成績の提出が求められます。また、登録は剤型別、銘柄別、会社別に受けなければなりません。
登録を受けていることは、その農薬を使用する基準が明確になっているということです。その内容は使用基準として、容器に貼付されたラベルに記されています。